工芸まめ知識


第1回                          革の手入れと保存方法

革や革の作品を美しく長持ちさせるためには、日常の手入れと保存場所に注意することが大切です。

・革にはカビが繁殖しやすく、水にぬれると変形しやすい欠点があります。したがってそれらを防ぐようにすればよいわけです。

・かびは湿度と温度が高く、汚れていると繁殖します。ほこりなどの全体的なよごれは、柔らかい布で空拭きし、部分的な汚れは、湿らせた布で軽く拭き取るか、クリーナを含ませた布でふきとります。

・バッグやベルト、手袋を保存する場合は、汚れを落とし、保革用のクリームを少しつけて丁重にみがきます。充分乾燥させ、型崩れしないようにして、時々取り出して手入れをします。

・カービング用の渋なめしの革も全体に紙に包んで乾燥した場所に保存します。

・日光に当たると革が焼けて、茶褐色になってしまうので注意しましょう。

第2回                           革の手縫いの仕方

■Aのやり方

1.ひし目打ちを木槌で、たたき穴をあける。

2.糸(手縫い系)の両側に2つの針をつけ8の字に縫っていく。糸の長さを同じにする。上下にひっぱってしめる。

3.縫い終わりは、裏は両方の針(糸)を出し、くくるか、2目~3目戻り、返し縫いをして、糸の根元をボンドをつけて切り始末をする。


■Bのやり方

1.革に溝を切る。

2.ルレットで縫い目の印をつける。(溝の上に)

3.縫い穴をあける。

4.一つの穴に両方から針を入れ、ひきぬいて糸を上下にひっぱってしめる。この繰り返し。

※この方法だと、手縫い糸が革の溝にきれいにおさまり表にとびださず、きれいに仕上がる。

第3回                     4つ編みの仕方

※牛レースなどを4つ編みして、きんちゃくのひもにしたり、ウォレットなどにつけるのもおしゃれです。

▲上はテープか輪ゴムで止めておく。

 
②にもどりくり返し編んでいく。
最初は一番端のレースを(右でも左でも良い)反対側レースの2番目にくぐらし、表皮にかえす(3番目となる)→ここでは左端!次に右端のレースを反対側レースの2番目にいれて表にかえして、左から3番目とする。
この行程をくり返し、好みの長さまで編んでいく。

 


第4回                          革の種類と性質     (導入編)

レザーカービングや他の革工芸をはじめる前に、革の種類とその性質を知ることは大切なことです。
革はもともと生きた動物の皮をはいで、天然のままの性質を生かすようになめしたものですから、革の性質を知るには、その動物の皮の組織や生活を考えると理解しやすくなります。
寒いところで育った動物は、寒さを防ぐために毛が密生して多く、繊維も粗いので皮の質はあまりよくありません。ミンクやキツネなどよい毛の動物の皮はよくありません。反対に気候の温暖な地域の皮は上質です。さらに同じ動物でも夏と冬では皮の状態は違います。専門家の間では夏皮、冬皮と区別をしています。革は同じ種類の動物でも年令になどによって分類することができ、さらに同じ一匹では体の部分によっても異なった多くの種類の革となります。用途にあった革を選び、革の性質を心得、作品をつくりましょう。

第5回                           革の長所と短所

革の長所は丈夫で、耐久力がある、立体加工ができる、切り口がほつれない、温かい感触がある、保湿性がある、柔軟性、順応性がある、気候で変化しにくい、表面が美しい、磨くと光る、染めつきが良い、吸湿・通気性がある、静電気がおきにくいと様々です。

短所は、湿気を吸うと伸びる、乾燥すると縮む、カビがはえやすい、ぬれると熱に弱い、均一でなく傷などがある、アルカリに弱い、大きな面積がとれない、肉の副産物のため需要供給の調節ができないといった点があげられます。

第6回           一枚の革の性質

動物の体の部分によって革の性質は違います。
腰の部分は外敵に攻撃されやすいところですから強靭です。伸縮はあまり必要ないので繊維は太く丈夫で密に絡み合っています。

お腹の部分は危険が少なく胃腸の膨張に合わせて柔軟で伸縮に富んでいます。また、腰の部分も呼吸のため伸縮性が必要です。したがって革は一般に背筋の方向に対して垂直によく伸びるようになっています。

このように、革は部分によりまたさらに一匹一匹に微妙な性質の違いがあります。用途に合った革を選び、これらの点に充分に注意して作品を作りましょう。


第7回                          暮らしに役立つ皮革いろいろ

■なぜ皮なのか?
太鼓は、本質的には一般に用いられているなめし革と異なり、生の状態に近い皮革が用いられています。大太鼓の皮は雌牛の皮、鼓には馬のはら仔というように、素材はきわめて厳しく、同じ牛でも地生という国産原皮で特に傷のない冬場の極上物が用いられます。こうした材質だからこそ、微妙な音色が出せるのです。

■革は第二の皮膚
さて皮革にはナチュラル・スマイルといって豊かさ、優しさ、温かさなどの持ち味がありますが、その味わいの良い持ち味を商品化した製品が注目されています。まだあまり知られていませんが、革のパンティがそれです。
人間にとって理想的といえる肌ざわりをもち、汗を吸い、汗を放出し、洗濯が自由で冷え性にもってこいの肌着。保温性、着用感といった点で文字通り”第二の皮膚”といえます。
一方、健康のため医療や美容の分野においては、皮からコラーゲン紡糸繊維を作り、手術用縫合系、人工皮膚、人工血管など、またコラーゲンを原液の形で化粧品の成分として用い、そのほかソーセージのケーシングとして食料用に使われています。

第8回

蝋纈染(ろうけつ染)・・布染の場合

ろうを溶かして布につけ、そのろうで描いた部分だけ染まらないようにし、文様を表現して染める方法。

日本ではろうけつ染の作例は、正倉院に残っているものの他には、あまりなく 一旦廃れていたが、昭和に入って 帝国美術展(帝展)や、文展(文部省美術展覧会)など開かれるようになって復活、戦後になって復活再び一般へと広く 国内外でも研究されるようになる。

第9回

革ろうけつ染

牛革・羊皮など革を湿らせて、溶かしたろうを筆でふせ(塗る)防染し 文様を描いていく。